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槇原敬之



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槇原敬之

Happy Ending

太陽の塔から
ほんのすぐ上のところまで
冬曇りの重そうな空が
下がっていたけど
平日の誰もいない万博後の遊園地
コンコースを駆け抜けて振り向けば
家族の笑顔が見えるから

今日は特別な日なんだと思い込んで
店のおじさんが飛ばしていた
羽を羽ばたかせて飛ぶ鳥のおもちゃを
僕はせがんで買ってもらったんだ

こんな嬉しい今日僕に
来るなんて少し怖くなった
まだ上手く飛ばせなくて
落ちた鳥をあわてて拾い上げて
胸に抱いた

でもそんな日は出口のゲートの
手前で終わった
無駄使いをさせた僕のせいで
母さんが怒りだした
急に体が震えて返さなきゃと
慌てて見たら
まだへたくそで落とした時の
傷が付いて返せない
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指に触れているへこんだブリキがӗ 2;ても冷たい感じがした
曇り空は全ての色を奪い
まるで死んだ鳥を抱いてる気持ちだった

みんなが笑うための場所で
悲しくて泣くのはもう嫌だ
あんな怖い顔で
怒らせてしまうその理由が
いつも僕なのが悲しい

あの時あんなに泣いたことも
今は笑い話だけれど

相手の喜ぶことをまず先に出来る
僕にならなくちゃだめだ
あ{! 98;日 事があったからこそ
この答えを諦めずに
探し続けられた

そして30年経った今日やっと
願いは叶った
家族みんながずっと笑ったまま
幸せな今日が今
終わった