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宮沢 ゆあな
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異形ノ恋歌
「風の音の 遠きし空に こひねがふ
夢まぼろしと 逢ふこともがな」
途んでもない娘 現れた
やんごとなき姿 いとをかし
途んでもなくふたり 契りあって
ねんごろなりふたり げにもめでたし
如何に これ如何にせんとぞ
これぞ面妖
この世は見方ひとつで 如何様にでも
変わるものだと思へば すわ 自由になる
あやし異形と思えど 戀しかるべき
迷うことなどあやなし
すなわち愛して仕れ 憎からんと思へば
月夜に口笛吹いて 呼び出されん
我が胸 おろかなれど つれづれなり
途んでもない娘 現れる
やんごとなき姿 いとをかし
途んでもなくふたり 契りあって
ねんごろなりふたり げにもめでたし
如何に これ如何にせんとぞ
これぞ面妖
生きとし生けるもの皆 惑ふものなり
人と魔物といくらも 何が違わんや
行くも帰るも忘るも こころもとなし
毒を食らわば皿まで
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今ひとたびの契り結べ 憎からんと思へば
桜の千々に吹雪きて 馳せ參じし
我が身は 熱くなれど いたづらなり
変哲なき君の いまそがる
やんごとなき世界 なまめかし
がんじがらめ鎖 ほどきあって
ねんごろなりふたり いとありがたし
如何に これ如何にせんとぞ
これぞ面妖
十六夜 我にもあらず 君のにほへど
立待 ますらおぶりの いとうるわし
天命なる君の いまそがる
亂逆なる世界 いとかなし
がんじがらめ鎖 ほどきあって
ねんごろなりふたり げにありがたし
如何に これ如何に
途んでもない娘 現れる
やんごとなき姿 いとをかし
途んでもなくふたり 契りあって
ねんごろなりふたり げにもめでたし
如何に これ如何にせんとぞ
これぞ面妖 それが面妖
すべて面妖なりけり
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