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福山潤



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福山潤

プロローグ

祭りの真っ只中で、僕は立ち尽くす。
夜空を轟く和太鼓の響が、皮膚を貫いて細胞に強烈に語りかけてくる。
僕は何かを忘れているのだと。
一体、何を思い出せと言うのだ。

色彩と光の洪水。
炎は舞い、歓喜は踊る。
人々の熱が、僕に反射する。

迷い込んだ森のような無音の世界から、突如目の前に現れた興奮。

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響き渡る音色はうねりとなり、
その残響は地を震わせ、空を揺さぶる。
そして、僕を執拗に追いかけてくる。
問いかけてくるんだ。

もっと遠くへ、
もっと奥底へ。

おまえの内側にある、その空白は何だ、と。